誰でもいいわけじゃないけど誰かでなきゃ駄目なのでもないさみしさがある
前提として知っといてほしいけど私はあなたのことが好きです
応用として理解してほしいけどあなたも私を好いてほしいの
物凄く美味しいけれど脂身が八割の肉を贈って殺すぞ
手でされるのもいいけれど口でだともっと嬉しくなったりします
あなたにはずっと生きててほしいけどずっと不幸であってほしいの
一度しか咲かない花で作る庭愛想などは見たくないもの
ぐしゃぐしゃに刻んで捨てた感傷が饐えた臭いを放っている朝
無力感表現するには無力では伝わらないって矛盾が辛い
人ひとりすっぽり入る箱を買いあなたの写真一枚入れる
暇すぎて「暇つぶし」って訳したら“kill time”と出た。前科一犯。
あの人が強く私をぶつ時はいつも小さな花が咲いてた
必要とされたい雨とか鋏とかちり紙だとか踵みたいに
流星のように散るしかないのです君に全てを惹かれたぼくは
牛乳をたっぷり飲んで頼むから大きくなれよと必死に言われた
がらんがらん、がらんがらんと鐘が鳴る、結婚式場、がらんどうの家
まな板の場所を知らない六六鱗いのちの電話の番号を押す
アニメとか漫画のドジな女の子どうして笑っていられるのかな
君なんかいらないでしょう。さりさりと皮を剥くのも上手くなったし。
夢を見ていたいのですか？ 現実を見ていたくないだけなのですか？
ただ一本弦の張られたギターとか壊れた鍵穴とか私とか
いじめっ子に何か理由があるのなら地球を狙う理由もあろう
嫌われたと感じる事は少ないが好かれてないとはよく考える
君のことあまり知らない今のうち混じりけのない愛を食べたい
祈りとはホモジナイズド牛乳が分離するのを白衣で待つこと
二月十四日に産まれたなんていう理由で君からチョコがもらえた！
君といる時に幾つも呑み込んだ呼吸を全部口笛にしたい
ちっぽけなことに悩んだあの時の私の墓標に花捧げよう
犬のふん持ち帰ろうの看板に描かれた笑顔が今日見た笑顔
「いいことをあたしとしよう？」と誘われていけないことをしたい人たち
この味噌はどうしょうもなく美味しいが残念ながら手前味噌だよ
改行をされた残りの空白はこの家に似てひどく冷たい
「好きだ」って沢山言えたら幸せな日 それだけで幸せそれだけが幸せ
媚薬より偽薬をください 困ったら抱けばいいって思ってるでしょ？
法律に触れずにざっくり斬る術を言葉の他にも一つは欲しい
マフラーを限界まで巻くくらいしか罰する術がなくって寒い
はっぱかな？ はっぱじゃないよカエルだよ カエルじゃないよ 痛みでもない
何気なく何かを波間に失くしたの名前のまだないお腹の中で
紫陽花の花が本当はがくだってことより君の痛みが知りたい
「唇が最高級のイクラより輝いてる」って口説いているの？
月極の文字麗しく契約の仕方もいまだ持たない我ら
謝らず女王になった子、謝って女王になった子、ふたりひきつる
簡単に好きとか言うのは不粋だと読んで何にも言えなくなった
僕と君二人っきりの読書会カーマ・スートラは文学だってば
「簡単に言うね」「難しく言ったって簡単になんかならないからね」
君宛ての手紙でひたすら折り紙を折っております誰か笑って
よく晴れた日にはなんにも降りません野原にごろり転がって待つ
撃ち抜いた手応えがした 吠える犬 赤赤赤赤赤わたし
時代という得体の知れぬまとまりが生きてた人を呑み干してゆく
この胸をポワトリンって呼ぶことで君の理解を拒めるだろうか
CLAP
BACK