コンビニ

コンビニの棚に並んだ商品で一生やっていける強さを


人生の道理を説かれてしまったぞー ワッホイワッホイ説かれているぞー


ダイエット目的のため香りだけ嗅がれるグレープフルーツみたいな日常


残念なお知らせですがわたくしはどうやらあなたにハマったようです


好きだった人に優しくされること。昔の自分をほめられること。


愛してはいなかったのだということを三年かけても証明できない


玄関に白熱灯の燈ってる家のつもりで待ちます君を


別にもう寂しくなんかないんだしひとりでできると剃刀を持つ


いつまでも踊ってられるはずだった真っ赤な点滅信号の下


無力って言うか無能って感じです。僅かな力で害を生みます。


もういないメンバー紹介するライブ盤 婚約指輪を質屋に入れた


点々で未来の夢を描いたので君の挟まる余裕はあります


精神を病むのは元気がないからで元気がないのは現金がないから


フリックであなたの名前を打つことに慣れたいけれど慣れたくないの


どうしても歌が浮かんでこない日は深夜ラジオに珍文送る


幸せが君に来るようお祈りを沢山したから蹴ってもいいでしょ


おとめとは雄と雌と書くので私だけでは乙女ではいれないのです


風向きが変わる隙間に手放せば届かず済むか花弁(かべん)花弁と紙片


久々のTwitterではリプライが全部消えてて雪山みたい


「したがって私は君を好きだ」とか証明したらマルしてくれる?


君の名を一度呼ぶ時は「そばに来て」二度呼ぶ時は「もっとして」の意味


退屈って興味がないってことでしょう? 嫌いではないってことなんでしょう?


あら私いつしかフォロー切られててもう好きだとも言えないみたい


「なあ」なんて呼ばないでよね よかったら「もしもし」なんて呼んでほしいの


抱きしめる練習ばかりしてないで抱きつくことも覚えてほしい


よく知ったものへの気持ちは二つある。懐かしいのと退屈なのと。


「午後二時」と詠んだけれども実のとこ「午後十時」でも構わなかった


履歴書の資格の代わりにカップ数書かせて欲しい他にないのよ


悲しくて泣くのが人間だけならば私はオットセイなら良かった


若いってことを理由に生きられる桜の季節の夢が覚めない


特に何か思ったわけではないんです 点滅信号赤かっただけ


勝算のある戦いしかしないのになぜか毎回負け戦です


恋人の条件としてセックスは十分ですか必要ですか


悪人の足音のように雪が降る 魂のように清い雪降る


好きな人だらけの場所で誰ひとり好きになれずに俯いている


私って自分のことしか興味ない それはともかく君彼氏いる?


「もしかして嫌われてる?」と思うから嫌われている」から嫌われてる


晴れた日に布団を干すような恋愛で取り込み時を逃したらしい


笑うまでいかないけれど君のことそこそこ好きだと信じておいて


弱い子は弱さを恥じろ強い子も強さを恥じて一人で眠れ


深く考えることと暗く考えることは全然違うんですよ


歪んだ時計の絵を見ては君との日々を思い出してる


十四より柱で測れぬせいくらべ 手首に刻んだメモリが赤く


誰一人残っていない午後九時の教会に神はいるのでしょうか


いつだってマツモトキヨシは特売日あなたを誘う理由にならない


マスカラを変えたことには気付くけどベルトに気付かぬ人が恋人


履きたくもないダメージドジーンズをそれしかないので履いております


右が箸左がお茶碗他全部あなた一人のためのものです


まだ好きでこんなこと言うわけじゃなくもうそこそこに過去だからです


日光を当てた目薬恥じらいを無くした恋慕乾いたポトス









遠すぎて掠れる歌をどうしても聞きとりたくて耳を澄ませる
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