女子力

女子力を高めるために一度くらい死にかけ仙豆を口にしたいよ


青白い稲妻がどうにも好きなのは私を罰してくれてるようで


背が伸びて先が見えるようになったから「好き」の先まで見なきゃ駄目、でしょ?


ぐるぐると毛布を巻いて君のこと待つしかないのは冬のせいだよ


面接が終わった後はいつだって受かる気がする 気だけはしてる


ロボットだー! ミサイルが出るし腕飛ぶぞ! 泣きもしないし好きにもならない!


「塗り絵って嫌いだったわ、塗るほどに汚くなるから。私たちみたい」


いい人になりたいのよといった君 あなたの都合のいい人にって


褒められても伸びるタイプじゃないけれど褒められたなら嬉しくなる(褒めて)


今月はもう二十回目の静電気愛されていないせいなのだろう


何年も前の飴玉いつまでも大事に持って時々しゃぶる


縛られて君にライチとグレープを投げつけられる夢を見た 好き


不確かなものに混じって詳細に書かれた診断書を抱きをり


昔より強くなったと言い放つ君は鈍くはなったのだろう


異教徒は殺してやろうと思いつつ俳句が趣味だと聞かされている


イタリアの猫はパスタが好きと聞き君を笑わす言葉に迷う


責任を取れないことはしたくない生きる全てに生まれる責任


胸よりもポワトリンっていう方が心臓の音がしなそうでしょう?


待ちぼうけさせられるなんて嫌なので約束をせず勝手に待ってる


退屈が欲しい時だけ会いに来て。そこだけ自信持っているから。


蠅がすぐ近くに止まった(もしかして君も寂しい?)と思って潰した


幸せになってほしいとどうしても思えないので嫌いなのだろう


太陽が星だってことを忘れたりするのは誰が悪いのだろう


泣いているあなたを見ると苦しくて泣きやませたいスタンガンでいい


はやくはやく、はやくなるためかるくかるくかるくならなきゃずっと、飛ばせ


ブルボンのプチをこれから食べるので一人上手と呼んでください


また一人有名な人が死ぬという特別なことが起きたようです


自分から話をしたくない僕とひたすら待ち続けるカウンセラー


綿棒によく温めたローションをつけてあなたの耳を拭きたい


チェス盤の上には女王がふたりいる。地球儀の上には女王がもっといる。


笑ってりゃそのうち楽しくなるかって思ってたけどそうでもないね


新しい年には古いものすべて悪だと思う勇気ではない


初めてのフレグランスをつけました 君の匂いをそばでかぐため


伸びきった輪ゴムで髪を束にしてしつこく化粧をしていたら、切れた


「助けて」と言われただけで助けるの? まるで悪魔のような人だね


高い高い塔の上から髪の毛を垂らして欲しい マッチを擦る


かみさまにお祈りするより恨み言言うほうが多い 許せかみさま


逆剥けを一本一本はぐようにあなたのことを忘れてゆきます


AVのジャンルにまだない性癖のような理想を文集に書く


一日中銀杏を炒って剥いていたことを損だとなじってほしい


私だけハメられあなたはハメる側 不公平さを愛しく思う


爪を切るタイミングすら分からないなんて言っても信じないだろう


ダージリン(ストレートティー)を唯一の女だという証明として


露出度が高い水着に言うことは「焼きたいの?」じゃないでしょうバカ


よく人に慣れてるかもめの群れなので手渡しで餌も敵意も食べる


過去形で全部語れる時がくるそれまで冬眠しますグンナイ☆


この人は結婚式には呼べないという友ばかり増えてしまうよ


目の中に入った睫毛と高校の教室にいる私の差とは


誰一人心のチューニング合わなくて壊れたラジオとうそぶいてみる


「好きだ」って言うといっつも「ありがと」で「好き」とは返してくれないんだね









遠すぎて掠れる歌をどうしても聞きとりたくて耳を澄ませる
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